「1週間の育休取得」について、妻から1ラウンド失神KO負けをした私は、敗者復活戦となる会社側との戦いのリングに上がった。
「育休のことでご相談があります」
情けない声で上司に告げ、異様な空気を感じ取ったであろう上司が別室を準備してくれた。
「先日のご提案を妻と話し合ってみたのですが、妻の体調や両親からの支援が得られないことを考えると、もう少しお休みを頂きたいと思います」
途中で止まると上手く最後まで伝える自信が無かったので、一気に最後まで話しお願いをした。
「そうか、それは大変な思いをさせてしまったな」
上司は落ち着いてそう言うと、さらに上の上司を連れて来てくれて話を聞いてくれた。
再度私たちの希望である1ヶ月以上の育休取得の希望を伝え、上司とそれを超えるべきハードルについて話し合った。
「我が社では男性育休が1週間以上の実績がないこと」
「経営陣には男性育休の考えが無い」
「確実に直近の昇進にはマイナス影響してしまう」
「育休の間のフォロー体制の構築が困難」
これらが主なハードルとなるようであった。
職場の同僚にも私の希望を伝えて、部署内での共有事項としてもらった。皆さん前向きに捉えてくれて、笑顔で引き継ぎに応じてくれると言ってくれた。
本当に素敵な仲間に恵まれたと思う。上司も後輩も皆嫌な顔せず応援してくれる。私も皆のためにも仕事でしっかり成果を残したいと強く思った。
会社への働きかけは上司2人に任せることとなった。早速人事部に連絡してくれたり対応を協議してくれた。
私も人に頼り切ってはダメだと思い、もっと自分で色々と調べなくてはならない。
周りの出産を控えている夫婦が、必ず男性育休を3ヶ月取得したり、里帰り出産や実家などの援助を受けられているわけではないだろう。男性側が仕事を休めない人もいるだろうし、1人で育児をしなくてはならない人もいるはず。
もっと主体的に色々なことを調べて、ベストを尽くすべきだ。ただでさえ妻は命懸けで新しい命と向き合ってくれている。
私も父親として生まれてきてくれる子のために、産んでくれる妻のために、心を入れ替えなくてはならない。