しばパパ ~仕事と家庭と趣味の狭間で~

2021年に女の子のパパになりました!仕事と家庭の狭間で、全てに全力投球で頑張ります!日々感じたことや、仕事・家庭での戦いを綴っていきます。先輩パパ・ママ、プレママ・プレパパの皆様からのご指導もよろしくお願いします!!

『相続格差』を読みました。

ご覧いただきありがとうございます。しばぱぱです。

2024年の目標で「月に1冊本を読む」と宣言して、最初の月である1月が終了しようとしています。その他の目標をこなすことに日々追われ、気がつけば1月ももう残り僅か、といった状況です。(そのまま読書感想などを記録していたら、2月になってしまいました…)

他の目標はぼちぼち進捗しているものの、読書だけは遅々として進んでおりません。まさに小学生時代の夏休み最終日、といった具合に追い込まれています。

そんな状況で「読みたい本など選んでられない!とにかく文字量少なめの本はどれだ!?」という、もはや本末転倒な状況です。

とはいえ初月から未達というわけにもいきません。とにかく読破しようということで、手元にある未読の本から1冊選びました。(結局1月最終日に寝落ちしてしまい、1月は未達という結果になりました…)

『相続格差 お金と思いのモメない引き継ぎ方』。この本は誰かからもらった記憶があり、自分で選んだ記憶はありません。でも折角の機会なので読み進めてみました。

概要

相続専門税理士として、長年多くの相続を間近で見てきた著者は、2つの「相続格差」があるという。1つは、現金や不動産など、財産の分け方の不平等による格差、もう1つは相続によって幸せになったか、モメて不満が残ったかによる格差だ。この2つの相続格差を乗り越えるにはどうしたらいいのか。モメない、ソンしない分け方のコツや、円満相続の秘訣となる考え方を伝授する。前野隆司慶應義塾大学教授との特別対談「『一番大切な財産』に気づく幸福学」も収録。

この本を一言で表すと

この本を読んでみて、一言で表すと「いい相続にするにはプラス思考であれ」です。

一見、「相続と思考」とは関係の内容に思えますが、実は相続される側の気持ちのもちようが、いい相続にする為には最も重要であるということでした。

著者の税理士先生は2万件以上の相続に携わったということで、説得力があります。実際に相続で揉めるのは、私がイメージしていた大富豪よりも、もっと一般的な家庭が多いようです。そして兄弟間で受け取る相続が揉めるケースが多いとのこと。

私の実家も所謂相続税が発生するようなことは考えにくいですが、「税金対策の有無に関係なく相続は発生する」という一文に「確かに」と思いました。金額の多寡に関わらず、金融機関や自宅の手続き、葬儀の手配など、相続に係ることは誰でも発生します。

その時に家族間で揉めていたらと考えると、なんだか悲しくなります。当事者ももとから不仲だったというよりも「仲が良かったのに、相続を機に不仲になってしまった」ということもあるようです。私にも兄弟がいるため、遺産云々よりもずっと兄弟仲良く痛いものです。

しかし「お金が関わると人が変わる」というような話もよく聞きますし、実際に相続が発生したタイミングの経済状況なども、不透明です。

そんな自分自身ではどうにもできない不確定なことが多い相続について、「心持ち」や「考え方」は、自分自身でできることであり、それこそが最も「いい相続」にするためには大切であるとのことでした。

印象的だったポイント3つ

「プラス思考」が大切だよ!という本書で、私なりに印象的だった部分を3つご紹介します。

1.「変えられないこと」と「変えられること」を見極める

世の中には、変えられることと変えられないことがあります。私が見る限り、モメる相続の原因の多くが、変えられないことに固執している気がします。

変えられないこととは、例えば財産の総額、家族構成、家族間の過去の出来事などです。これはどう頑張っても変えることができません。

一方で、変えられることとは、相続にあたっての考え方であり、自分自身の対処の仕方です。この「変えられないこと」「変えられること」を見極められるかどうかが、「相続格差」のポイントです。

確かに、財産や相続される人の人間性、過去の出来事などは、自分自身がどうしても変えることはできません。でもいざ目の前に、今まで存在していなかった財産が急に現れると、おかしくなってしまうのかもしれません。

この「変えられることと、変えられないことを見極める」という言葉は、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバーという人の「ニーバーの祈り」という散文から参考にされているとのことでした。

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。

変えるべきものを変える勇気を、

そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

まさにこの考え方は、「相続格差」だけではなく、普段のメンタルの持ちようにも活かせるな、と感じました。

2.親子の望ましい関係は「横」の関係

モメない相続には、コミュニケーションが大切と本書にありますが、それは親子間でも同じだといいます。しかし何よりも大切なのは、そもそもの「親子の関係」だと著者の天野先生は仰っしゃります。

天野先生は”アドラー心理学”が相続格差を無くすために参考になると考えられているとのことでした。この「親子の関係」にもアドラー心理学の考え方を用いることで、相続だけでなく、普段から親子間のコミュニケーションが円滑かつ良好なものになるのではないかと感じました。

まず、アドラー心理学では、親子は「縦」の関係ではなく、「横」の関係であるべきだとしています。

しかし、少なくともこれまでの日本の社会において、親と子は間違いなく「縦」の関係であり、親は子に対して支配的な存在でした。

(中略)これに対して、「横」の関係というのは支配しない関係です。では、親の役目は何かというと、子供の自立を援助することにあるというのです。ですから、普段は子供の生活に立ち入りすぎることなく、自立を助けて見守るべきなのです。

そこで大切なのは「どうかした?」「どうしたいの?」「私にできることある?」という3つの言葉だとアドラーはいいます。

自身の毎日を振り返ってみると、私は普段子供接しているなかで、どうしても「こうした方がいい」とか「こうするべき」というような思考で、今冷静に考えれば支配的だなと感じます。しっかりと子供の意見を尊重し、自立を援助できるように、この3つの投げかけを意識していきたいです。

また、親子関係のすれ違いの要因の一つに「子の課題=親の課題」があるといいます。これは特に親側の認識で、子供の課題を親が自身の課題だと思い込んでしまうことが多いようです。しっかりと「親子の課題を分離」して考え、子供からなんらかのシグナルが出てきたら、先程の「3つ言葉」を投げかければ良いでしょう。

何でも親が解決してしまうと、子供の成長を妨げてしまうこともあるでしょう。この”課題の分離”は意識しないと、私自身も陥ってしまいそうな気がするだけに注意が必要だとと思いました。

3.プラス思考になるためには?

良い相続のためには「プラス思考」が大切ですが、どうすればプラス思考になれるのでしょうか。

物事のいい面に注目した「プラス思考」の言葉を使うと良いらしいです。

言葉は人間関係に強い影響を及ぼす強力なツールです。言葉をプラスに変えることで、さまざまなことがうまく回転をはじめます。

(中略)アドラー心理学では、マイナスや欠点を表現する言葉を、プラスや長所を示す言葉に置き換えるのが非常に重要だとされます。

書いてあることは理解できるのですが、実践となると、なかなか難しいものです…。特に何か嫌な気分になったり、イラッとしたりすると、そのストレスをかき消すかのように、マイナスの言葉を誰にも聞こえない場所や声量で発してしまいます。

自分では「嫌だな」と感じても、感情を自制できず、つい口に出して発散してしまいます。でもこれを機会に、少しずつ口にするのをやめようと思います。

もしくはそのマイナスの言葉を、プラスの表現にしてみるように考えてみるとかでしょうか…。そんなことできるのか疑問ではありますが…。

最後に

相続財産の有無に関わらず、相続というものは発生します。今までは漠然と考えていましたが、親の年齢を考えると、何があってもおかしくはない年齢に入ってきています。まだまだ元気でいて欲しいのはもちろんですが、万が一の心構えもしなくてはならない、と考えさせられました。

その時に残された者たちが、亡くなった人の思いを引き継ぎ、仲良く過ごすことで、親も心配せずに安心して、天から見てくれるようになるのかなと感じました。

まずはもっと家族とコミュニケーションをとり、改めて人間関係の構築に努めていきたいです。

 

 

 

その他読書メモ

・財産の分け方をアドバイスできるのは弁護士資格のある方のみ。p21

→税理士も財産を分けるアドバイスができるのかと思っていた。

・相続で揉めて裁判までいったケースでは、遺産総額1,000万〜5,000万が一番多い。p.24

→想像以上に少額のケースで裁判までモメている。私の実家では土地とかの不動産評価をいれるとどのくらいになるのだろうか。

・1番大事なのは「相続する人の考え方」。「お金は大事だけど、親族が仲良くすることはもっと大事」などと「プラス思考」の人が多いと相続はモメない。p.25

→仮に遺産が残ったとしても、相続で揉めるのは嫌だな。いざ直面すると私自身やまわりも人が変わってしまうのか?と心配になる。

・イラッとしたときは自分の得意を見つけるチャンス。イラッとしたときは裏返して考える。他人の不得意な点に気がついたら、それは自分の得意な点、とプラスに考える。p.29〜30

・「ツキカエタの法則」がプラス思考になるポイント。

ツ:ツイている人は、ツイている人と付き合うことで、更にツキがつく。

キ:聞き上手

カ:感謝上手

エ:笑顔上手

タ:他人に親切上手

・「勘定(金)」ばかり念頭に置いて「感情(心)」を無視した相続税対策は、親が喜ぶものではない。p56

→その通り。目先の金に目がくらんでも何もいいことはない。

・親のための相続対策①「リフォーム、記念館づくり」。親が住んでいる住居を直して住みやすくする。どこか1部屋を遺された親の趣味のものなどで飾る。p56

→「相続対策」と聞くと「税金を減らすこと」というようなイメージがあるが、そのメリットは子に限定され、親には何もメリットはない。親自身にメリットがある対策をしてもらうのが、いい相続なのだと思った。

・相続格差を無くすためには「親が元気なうちは、いきなり相続の核心にふれるのではなく、普段からコミュニケーションをとることで心を開いてもらうしか無い」。節税目的で親とコミュニケーションを取るのではない。p91〜p92

→下心をもって親と接しても、自分も相手も良い気はしない。「今よりももっと親孝行をする」くらいの気持ちでいいのかもしれない。

・親にできること、子供にできることは、「自己受容」しかない。子供が受験に落ちたり離婚したりしても、「なぜそんな事になったのか」と問いただしても意味はない。親の財産をどう使おうが、それは親の人生。それをわきまえずに「無駄なものは買うな」とか「相続税のことまで考えて」と子が親に言うのは大きな間違い。どちらの立場であっても、事象を受け入れて「自分に今できることは何か」を考える。p102

→親子であってもその人の人生だから、最終的には自分で判断したほうが後悔も少ないだろう。「その人のために自分が今何ができるか」、これは親子だけでなく、もっと広い意味でも大切にしていきたい。

・相続格差が一番現れるのは兄弟の関係。親子のような縦の関係ではなく、横の関係であるがゆえに比べてしまう。

→そうなのか。兄弟が一番揉めやすいとは、自分自身は大丈夫と思いながらも、慎重に進めていく必要があるのかもしれない。

・親の介護費用の負担については、介護をしている最中から、兄弟間でコミュニケーションをとって、「相続時に精算しようと話をつけておく」こと。親の元気なうちは抵抗があるから、介護が始まったタイミングを逃さずに話をしておく。p131

→兄弟間が一番揉めやすいことから、いずれくる介護のタイミングで私達もしっかりと話しておこう。今はそれぞれが遠方に住んでいるので、LINEなどでもいいからしっかりとコミュニケーションをとっておこう。

・プラス思考の言葉を口にすることで、自身の気分を良くするという流れもある。「ソシツガチ」。p188

ソ:そうだったな

シ:幸せだな

ツ:ツイてるな

ガ:頑張っているな

チ:チャンスだな

→マイナスの言葉を減らしていくのはもちろん、プラスの言葉を増やしていきたい。まずはここの口癖を参考に。

・幸せになる4つの因子。

やってみよう因子:自己実現と成長の因子。なにかにチャレンジして、主体的に生きる様子。

ありがとう因子:つながりと感謝の因子。他の人のために貢献したいと思う心や感謝の気持ち。安定した関係を築くことを指す。

なんとかなる因子:前向きで楽観的な人が持つ因子。失敗を引きずらず、楽観的になって「そこそこ、満足できる」態度。

ありのままに因子:人と自分を比べて羨ましがったり、妬んだりしない。人は人、私は私と、自分らしく自分を幸せを目指す。

→基本的には前向き、ポジティブ思考と同じなのかな。もう少し具体的になっている分、日々の生活に落とし込みやすい。意識していきたい。