真の立ち会い出産とは
立ち会い出産とは、言葉どおり「夫が出産に立ち会うこと」ですが、ただ立ち会えばいいというわけではありません。
もともと立ち会い出産は、外国から入ってきた考えのようです。その目的は「夫が妻の出産をサポートする為」。夫がサポートすることで、「産痛の克服」を図ろうという考えのようです。さらに外国では、夫の立ち会い出産を通して、妊娠生活・出産・産褥への参加を勧めているようです。
女性は「妊娠を通して、親としての自覚が出てくる」。しかし男性は「何もせずともいきなり親となる為、自覚が足りない」とはよく聞きます。
私もその通りだと思います。どれだけ夫が妊娠中の大変さや、出産に向けた恐怖感や産痛、産後の状態を理解しようとしても、決して完全に理解できることはなく、おそらくどれだけ寄り添っても、至らないことでしょう。
だから夫側としては、心構えも行動でも、準備をするしかないのです。
外国では夫が、「妊娠に対する正しい理解と認識」、「妊娠中の合併症を予防するためのサポートとケア」、「分娩への正しい理解」、「これらの実践」などの項目について、医師からのチェックを受け合格しないと、出産に立ち会えないところもあるようです。それほど出産に立ち会うということは、夫側の準備が必要なのでしょう。
では「どうするべきか」を次から見ていきます。
事前準備編
立ち会い出産に臨むに当たり、事前に準備しておくべきことをまとめておきます。しっかりと準備をすることで、当日少しでもオロオロするのを防ぎたいです。
- ストロー、うちわ、タオル、ゴルフボールやテニスボールと言った道具を準備する
- 撮影の希望の有無を確認しておく。三脚を利用できるとベター。
- 妻の希望する立ち会い出産を意識する。夫側の意見等は捨てて、妻の気持ちに寄り添う。
- 産院の立ち会い出産の可否と範囲を確認する。産院によって立ち会い出産の形は異なるため、事前に確認しておく。
陣痛室編
陣痛や破水が始まり、入院となると大抵の場合は「陣痛室」に通されます。陣痛室では子宮口が開くまで陣痛に耐えます。
産院によっては陣痛室と分娩室が一体となっているところもあるようです。事前に確認しておくと、当日のイメージしやすいかもしれません。
陣痛室では、陣痛と陣痛との合間にリラックスできるようサポートすることが大切なようです。
陣痛室で夫は何をすべきか
- マッサージ(腰、肩、腕、足など。助産師さんを真似てみるのも良し)
- 飲み物や食べやすいものを買う(陣痛中は喉が渇きやすく、産院の食事も食べられないことがある為、妻の希望するものを準備する)
- 一緒に深呼吸したり会話をしたり力が抜けるようサポートする
分娩室編
出産となるタイミングで陣痛室から分娩室へ移動します。分娩室では、医療スタッフの方々の邪魔にならないよう注意します。
基本は妻の頭側に立つことが多いようですが、自分がいてもOKな位置を事前に確認しておくとベターかもしれません。
分娩室で夫は何をすべきか
- 呼吸法をサポート(助産師さんの呼吸方に習うとスムーズ)
- 汗を拭く
- 拭き水分補給(ペットボトルにストロー付けておくとなお良い)
- 陣痛と、いきみを合わせるサポートをする
- 出産後に妻に労いの言葉をかける
してはだめなこと
立ち会い出産により家族や夫婦の絆が強くなると言われていますが、立ち会い出産時の夫の言動により、がっかりしてしまった人や、怒りを覚えた人も一定数いるのも事実です。
これまで「すべきこと」について記載してきましたが、当日は予定通りにいかないことのほうが多いでしょうし、どこまで実践できるか不安でもあります。
最低限「してはいけないこと」だけは頭に叩き込んで、当日を迎えたいと思います。
NG行動
- 「あとどれくらい?」「眠い」「まだ?」など配慮にかける発言
- 妻の症状を代弁する(誤った情報の伝達に繋がる)
- 一時退席時、遠くまで外出しない
- 助産師などの邪魔しない
- スマホを過度にいじらない
- 力任せのマッサージ(痛いだけ)
- べったりと、つきっきりにならず、時と場合により適度な距離感を保つ(献身的に支える時間と、一歩引いて静かに見守る時間のメリハリをつける)
- 「してあげている感」を出さない(自然なさりげないサポートを心がける)
色々と調べていくうちに、まさに「産前産後の恨みは一生」であることがよくわかりました。
自身が命がけて大変な思いをしているのに、本来力になるべきパートナーが、全然協力的でなかったり、出産に対する温度感にとても差があると悲しいのは当然です。
当日は想定外のことも起こるでしょうし、気持ちに余裕もなくなると思います。ぶっつけ本番になるので、できる限りイメージトレーニングをして、事前準備をしっかりとしていきたいと思います。