しばパパ ~仕事と家庭と趣味の狭間で~

2021年に女の子のパパになりました!仕事と家庭の狭間で、全てに全力投球で頑張ります!日々感じたことや、仕事・家庭での戦いを綴っていきます。先輩パパ・ママ、プレママ・プレパパの皆様からのご指導もよろしくお願いします!!

『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』を読みました

[本ページはプロモーションが含まれています]

ご覧いただき、ありがとうございます。しばパパです。

生後3ヶ月程度の長男が、先月末から今月はじめまで発熱してしまい、不安な日々を過ごしておりました。長女は比較的、体調を崩すことが少なかったので、月齢が低いこともあり、なかなか神経をすり減らしました。

現在は元気に回復し、一安心です。

 

今年の目標である「月に1冊以上の読書」、今月は『キーエンス解剖 最強企業のメカニズム』を読みました。

昨年から営業課の管理職になったものの、今までマネジメントとは皆無。キーエンスの高収益・高生産性は何となく聞いてはいたものの、具体的なことは何も知らずだったので手に取りました。

この本を読もうと思った理由

高生産性の企業はどのような体制なのかを知りたい。自身の今後のマネジメントの参考にしたい。

この本から学びたいこと

・生産性を高めるマネジメントとはどうするべきか。

・社員のモチベーションを高める仕組み

・人材の育成方法

概要

キーエンス解剖 最強企業のメカニズム [ 西岡 杏 ]

価格:1760円
(2024/3/20 05:58時点)
感想(7件)

営業利益率は脅威の55%超、社員の平均年間給与は2000万円超──。売上高は1兆円に満たないながらも日本の時価総額ランキングで第3位に入るのがキーエンスだ。日本を支えてきた製造業の弱体化が指摘される中、なぜキーエンスはこれだけの結果を残せるのか。その神髄は顧客の心をつかむ営業や商品開発、人材育成の仕組みにある。外部にほとんど明かされないキーエンスの正体に日経ビジネス記者が迫る。

この本を一言で表すと

徹底した仕組化と行動

この本の中でキーエンスOBが「特に革新的な取り組みはしていない」といった発言がありました。確かに日報やロープレ、監査なども私の働く会社にもあります。しかしその目的と運用については多くの差があると感じました。

私は毎日なんとなく「なあなあ」でしているところがあり、この本で読んだような「目的意識」や一つ一つの行動を徹底していないなと感じました。

この仕組化と行動の徹底こそがキーエンスの真骨頂であると感じました。

印象に残った部分3つ

1.化石になるな

キーエンスの本社には、化石がいくつも展示されているようです。

なぜ化石なのか。それは「キーエンスは化石にならない」という、キーエンス創業者で現在は取締役名誉会長を務める滝崎武光氏からのメッセージだ。「石になって永遠に姿を変えられなくなるような事態には絶対に陥らない。常に変化し、進化し続ける」――。そんな思いが込められている。

時代の変化が早いと言われていますが、企業も人も常に変化を感じ、柔軟に進化していく必要があると思います。こう思うのも言うのも簡単ですが、実際にどう変化・進化していくのかは自分自身で考えなければなりません。

「化石になるな」この言葉は常に意識して、漫然と毎日を過ごすことのないように気をつけていきたいです。

2.性弱説に基づいた仕組化

キーエンスの成果を出す仕組み、属人化を避ける仕組みなどは、性弱説(人は弱いものだという前提)を念頭に考えられています。

「人間は常に楽をしたい生き物」というのはよく聞きます。私自身も疲れたら休みたいし、もう一歩頑張らなくてはいけないのに、手を抜いてしまったことが多々あります…。そのようなことを避けるには、精神論や根性論のように自らを奮い立たせて頑張ることでしか前に進めませんでした。しかし、それでは限界があるし、自分に都合の良いように自己合理化してしまう。結果その時頑張れなかった自分を責める負のスパイラルに…。

そもそも「人は弱いものだ」という考えに基づいて、そのような逃避行動をいかにストレス無く抑え込む仕組をつくるか、が最も大事なのかもしれません。p.122

3.顧客にっとてのかかりつけ医となれ

キーエンスOBが中途入社する際に会社説明会での話しが印象的でした。リード電機はキーエンスに社名変更する前の会社名です。

「例えば皆さんが風邪をひいたらね、お医者さんに行くでしょう。お医者さんに行ったら問診されて、そこで答えているうちに『風邪ひきましたね』と診断されて処方箋をもらう。そこで会計になって『2,000円です』と言われたら、皆さんどうしますか?」

「『先生、10円20円まけてや』とは言いませんよね。財布から2,000円を出して、『先生ありがとうございます』とお礼を言いながら支払う。1円の値引きも求めないでしょう。」

(中略)「一流の医者は、人の命を救うために常に最新の医療技術や知識を学び、習得して、最善の治療をする。リード電機が目指す営業とはそういうことです。なので従来の飛び込みなど汗をかきながら体力を使うとか、接待など顧客の情に訴えて買ってもらう営業がしたい人は、リード電機は受けないでください。頭を使う営業。常に勉強し続けることをいとわない人は、そのまま残って入社テストを受けてください」p.132

今でこそ「コンサルタント営業」「課題解決型営業」みたいな話しはよく聞きますが、この会社説明会は1980年代だそうです。その頃から、このような文化を醸成してきたと考えると、今の営業ノウハウや練度の高さも説明がつきます。

まさに究極に理想的な営業だなと思います。今の仕事で、完全に真似をすることは困難でも、少しでも真似できるようになりたいものです。

最後に

この本に書いてあることを実践するのは、完璧でないにしろできそうな気がします。

でも中途半端な実践では成果も限定的になるでしょう。

「キーエンスと同じことしてもキーエンスになれない」と話すOBもいたように、「手段や方法」を真似したところで、「適切な目標設定や徹底的な可視化、あらゆる場面での改善」などといった本質的な部分や、働く従業員のマインド、企業文化といった部分をどれだけ真似られるかなのかと思いました。

私が働く中小企業の小さな部署のほうが、比較的取り組みやすいのではないかと思いました。

 

 

その他読書メモ

キーエンスは属人的な才能に頼っているのではない。人が成長し、成果を出すための仕組みをつくり、その仕組の中で社員たちが徹底的にやり切るという組織の強さで類を見ない高収益を実現している。これを真似すれば、他の企業だって利益を大きく増やせるはずだ―。p.4

著者もこう考えるほど、仕組み化されているということ。そのヒントとは。

キーエンスに「待ち」の姿勢はない。顧客の興味の兆しが見えた途端にアプローチし、自らのペースに巻き込んでいく。p.21

最初から自分のペースにしたほうが、仕事もしやすいだろう。

キーエンス担当者は、故障を直した後にこう聞くことを忘れない。「他にお困りのことはありませんか?」p.21

この一言が言えるかどうかで変わってくることもあるだろう。

ロープレは10分から15分ほどで手短に、だが毎日のように繰り返すのがキーエンス流。p.37

ロープレの台本は販売促進部が作成。これを基に営業担当者はまず「型」を学ぶ。p.37

ロープレは表現力や説明力、プレゼンの練習であって、決して瞬発力や対応力を見るものではない。p.39

ロープレはすること自体が目的ではなく、顧客の希望を聞き取ること、製品を知ってもらうこと、購入の稟議に向かうための「通り道」でしか無い。あくまでもトレーニングの手段。プレゼンの中身や質疑応答でストーリーを上手に伝えられるかどうかも重要。対面だけでなく、電話などのあらゆる場面を想定してロープレを繰り返す。ロープレは長くやればいいというわけではなく、短時間でも毎日のように繰り返すことが大事。p.39

週2日の「社内日」は電話・メール・オンライン面談などの顧客フォロー、アポイント取り、見積作成。週3日の「外出日」は5〜10件の顧客回り。p.41

外出報告書への記載事項。準備の内容、訪問場所、面談者、やりとりや反応。開始・終了時刻。p.42

成果を最大化するには商談の質の高さと回数の掛け算が大事。そのためには時間を意識することが欠かせない。p.42

言葉にすれば簡単な話に聞こえる。問題は、全員が日々怠らずにてっていできるかどうかp.47

キーエンスの社員の評価は以外にも「プロセス」重視だ。報酬に反映するKPIに設定しているのは、「やれば確実にできるもの」。行動を変容させれば結果がついてくるという考え方が、根本にある。p.47

営業担当者ごとの電話件数もKPIのひとつ。明確な指標を設け、その実績を可視化することでさらなる行動を促す。p.49

キーエンスの取組は「セールスイネーブルメント」と呼ばれる手法に近いと感じるかもしれない。セールスイネーブルメントは、営業の研修やツールの導入、プロセスの分析といった各種の改善を総合的に実施しながら営業活動を最適化する取組を指す。具体的には、営業関連データを蓄積し、営業施策ごとの貢献度を把握したり、営業ノウハウを共有して属人化を防いだり、営業担当者の行動や能力を定義・評価したりする。p.52

顧客に言われたままの「ニーズ」と、最初は顧客の口から出てこない本当の需要である「ニーズの裏のニーズ」は分けて考える。p.62

協力会社(外注の製造会社)との蜜月な関係を重視する。

『後工程はお客様だ』(いった製造の考え方を)協力会社の人たちにも話していた。

(中略)協力会社の社員やパートと綿密に連携しながら改善を欠かさないことが、キーエンスの生産の鉄則のようだ。

協力会社とは”ウィン−ウィン”の関係でなければ無理だ。p.102

自らのことに当てはめてみると、営業課が当社。他の課が協力会社と考えられる。他の課との協力関係がいかに大切かということ。

時間チャージという考え方。付加価値を全社員の総労働時間で割った数。粗利とほぼ同じ意味。時間に対する意識を高める考え方。

キーエンスでは、基本給に加えて会社の営業利益の一定割合を業績賞与として社員に支給している。社員の付加価値を生み出す行動が、企業の業績を向上させ、最終的には社員にも還元される仕組み。p110〜113

キーエンスOBと話していても、「目標意識」「目的意識」「問題意識」という言葉が頻繁に出てくる。p.113

今日はどこへ何をしに行くのか。そのために何をするのが1番いいのか。と自然と今日の目的は何かを考えるようにする。この意識付けは普段から身につけていきたい。

情報を共有する文化がある。p.118

経営者や上司となる人間が、組織のパーパスや理念などを通貫して行えているか。それが組織全体の強さとなる。自分はできていなかった。

現地法人を立ち上げたら直接営業担当者を雇ってチームを組織することになるが、ここで重視したのが「どのようにキーエンスの考え方、理念や行動指針を理解してもらうか」だった。p.168

やはり組織を作るうえで、理念や行動指針を理解することが最も大切だということだろう。